「とっておきの時間」をすごす…「私の好きな時間」というテーマで
 たゆたゆと流れるメコン川を見ながら屋台でビアラオを飲む。ラオスのビール、ビアラオは穀物の味がきちんとしておいしい。川から吹いてくる夜風が心地よい。一緒に焼きそばをつついている旅人はタイからの夜行列車で会った大学生のカップルだ。3人でたわいのないおしゃべりをしながら酔っていく。

 初心者バックパッカーの私は異国で夜行列車に乗るのも、陸路で国境越えをするのも初めてだった。夜行列車で荷物を盗まれないか、ビザは本当におりるのか、国境から市街地まで乗るタクシーのトゥクトゥクで、ぼられないか。怖がりの私は不安でいっぱいだった。

 しかし、思ったよりもスムーズにラオスに来てしまった。夜行列車では盗まれないようにと大きな荷物を枕にするので狭くて眠れなかったし、ラオスの国境ではトゥクトゥクの客引きに囲まれうんざりはしたが。なんだ、私でもラオスに来られるんだ。

 そんな誇らしげな自分とビアラオに酔って限りなく幸せになっていく。そして私はこの幸せを味わうために3月に仕事を辞めたのだとさえ思った。

 そう、私は3月に20年間勤めた公務員を辞めたのだ。まわりにいる誰もが辞めることに反対した。特にやりたいことは決まっていなかったし、やめる理由もストレスで体を壊したからという消極的なものだった。「きっと後悔するよ」と心配してくれる人には「後悔しない生き方をすればいいから」と答えていた。これからの人生、そんな生き方ができる自信があったわけではないけれど。

 だから仕事を辞めなければ味わえなかったであろう時間を持つたびに「この時を味わうために私は仕事を辞めたのだ」としみじみとかみしめる。まだ手探りで不安定な時の中でそんなとっておきの時間を重ねながら、自分の過去と未来をつなげていこう。そしていつの間にか過去を振り返る事なく、前を向いて歩いていけたらと思う。

編集会議 編集・ライター養成講座(2005.11−2006.4)の宿題
 たゆたゆと流れるメコン川を見ながら屋台でビアラオを飲む。ラオスのビール、ビアラオは穀物の味がきちんとしておいしい。川から吹いてくる夜風が心地よい。一緒に焼きそばをつついている旅人はタイからの夜行列車で会った大学生のカップルだ。3人でたわいのないおしゃべりをしながら酔っていく。

 バックパッカー初心者の私は異国で夜行列車に乗るのも、陸路で国境越えをするのも初めてだった。夜行列車で荷物を盗まれないか、ビザは本当におりるのか、国境から市街地まで乗るタクシーのトゥクトゥクで、ぼられないか。怖がりの私は不安でいっぱいだった。
 
 夜行列車では盗まれないようにと大きな荷物を枕にしたので狭くて眠れなかったし、ラオスの国境ではトゥクトゥクの客引きに囲まれうんざりした。

 しかし、思ったよりもスムーズにラオスに来てしまった。なんだ、私でもラオスに来られるんだ。そんな誇らしげな自分とビアラオに酔って限りなく幸せになっていく。そして私はこの幸せを味わうために3月に仕事を辞めたのだと思った。

 
 そう、私は3月に20年間勤めた公務員を辞めたのだ。まわりにいる誰もが反対した。特にやりたいことは決まっていなかったし、やめる理由もストレスで体を壊したからという消極的なものだった。「きっと後悔するよ」と心配してくれる人には「後悔しない生き方をすればいいから」と答えていた。しかし、そんな生き方ができる自信があったわけではない。
 
 だから仕事を辞めなければ味わえなかったであろう時間を持つたびに「この時を味わうために私は仕事を辞めたのだ」としみじみとかみしめる。まだ手探りで不安定な時の中でそんなとっておきの時間を重ねながら、自分の過去と未来をつなげていこう。そしていつの間にか過去を振り返る事なく、前を向いて歩いていけたらと思う。

う〜ん、やはり旅ネタが好きですね。
上記のものは講師の添削によって修正したものです。
修正前は下記のもの。
やはり添削後のほうがわかりやすかな?

題にひとひねり欲しかったと反省してます。

あと、うさぎは実のところこんなに人生真剣には考えてなくて能天気にすごしているので、ご安心ください。