涸沢より高い北穂2005.7.28〜30

 すみませんね、当たり前のことで。
 でも、なんちゃって登山者のうさぎは恐いこと嫌い、大変なのはいや、疲れたらやめる登山だから
ビール飲んでいれば結構幸せに浸れる涸沢でついつい足が止まってしまうのだな。
 今回も涸沢に着いたあたりで雨が降り、よほど沈没しようと思ったが
せっかく平日に来ているのだからさ〜、山小屋もすいているだろうしねえ
時間もたっぷりあるし・・・なんて思って登ってみました。

7月28日
 土砂崩れで通行止めだった沢渡も今日から開通。バスは予定通り12時前に上高地に着いた。
冷やしトマトを買って梓川のほとりに座り山を見上げると幸せになり、「もうここでいいや。」と思う。
だけど今回は山登り。
さっさと歩き、この前の徳沢キャンプでは一時間くらいかかった明神まで30分であるく。
5月にきた時の上高地とはだいぶ違う。
植物が伸び放題で茂っている。

5月、生まれたての小さな葉が張り付いていた岩肌も
(ケロスズからもらった写真)
今ではこんなに伸びきった葉が生い茂っている。
丸まっていたぜんまいの葉っぱも
(ケロスズからもらった写真)
こんなふうにのびきっている。

 徳沢で400円のソフトクリームをなめながら、木陰で風に吹かれていると、またまたここで沈没したくなる。
この前来た時、テントは私たちだけであったが、さすが夏休み。いっぱいテントが並んでいた。

 徳沢から50分くらい歩き、今日の宿泊所である横尾山荘に着く。ここに泊まるのは初めてだ。
山小屋なのに2段ベッドでカーテンつき。隣の親父に気を使い、寝返りも不自由な雑魚寝とちがいゆっくり眠れる。
しかもお風呂付。石鹸、シャンプーなどは使えないものの、汗を流せるのはうれしい。

7月29日
 朝の天気予報。下り坂らしい。ぐわーん!
5時、涸沢に向かう。たしかに雲行きはあやしい。
7時半ころ。涸沢小屋にもう少しというところで雨に降られる。疲れているのに走って、小屋の軒下にはいる。
けっこうざーっと降っている。仕方がない。雨具を着て出発しようとしたら雨はあがった。
いつも雨具を着ると雨があがるんだよね。しばらく着たまま歩いたが降ってこない。途中で脱いだ。
 涸沢から北穂山頂まで標高差約800メートル。ずっと登り。急坂が続く。岩場をよじ登り、はしごや鎖もあってかなりへばる。涸沢ヒュッテやテントが小さく見える。

 コースタイムが3時間なのになかなか着かない。
「あと10分ぐらいだよ。」「あそこをまがってすぐ。」と声をかけてくれる人がいるが、山での「もうすぐ」はすぐだったためしはない。は〜は〜。
 やっと着いた頂上には誰もいない。すべて霧に包まれていて何にも見えないからね。残念。


うさこも登る。



景色は真っ白。

 北穂高小屋でカレーを食べる。食堂の一番奥にストーブがついていた。汗が引いて体が冷えてきたのでストーブにへばりついてしばらく休憩した。
 北穂高小屋は小さい。私の寝床はこんなふう。
                    
 ここの小屋の食堂はクラシック音楽が流れる。それを聞きながら優雅に夕飯と想像していたがちょっと違った。8人座るテーブルでオヤジたちに囲まれたのだ。このオヤジたち、ほんとによく食べる。おかわりはスタッフが差し出すお盆にお茶碗をのせるのだが、ずっと「おかわり」の声が続き、音楽など聞こえなかったね〜。うさぎもおかわりをしたいのだが、すぐにお盆がいっぱいになってなかなかお茶碗をのせられない。隣のやさしいオヤジに励まされてやっとおかわりできたよ。
 夕飯のメニューはポークソテー。やわらかくておいしかった。


 

食堂のテーブルにはランプと花が。静かであればおしゃれな喫茶店のよう。

7月30日 
 夜、だいぶ強く雨音が聞こえる。
はじめ寒いと思っていた山小屋も人がいっぱいつまって寝ると暑くて何度も目が覚めた。
3:30ころから眠れなくなり、4:30すぎにはもう山小屋の外にでてしまった。暗くてまだ歩く気はしないが、とにかく小屋の中は暑くて居られない。それなのに外は息が白くなるほど寒い。


 雨は降っていないが、霧で真っ白。5:00ころから降りる。霧が立ち込めて視界が悪いがマーキングの矢印は何とか見える。
 誰も歩かない道を進む。ちょっと気味が悪い。人が居ないのに近づく足音が聞こえたり、遠くに向かってくる人の赤い服が見えたのに近づいてこなかったり。恐いのよ。そんなポイントなのかな?
 昨日、山小屋にある雑誌で山の不気味スポットの記事の読んでしまったのだ。 常念小屋で金縛りにあったことがあるんだけど、常念、蝶あたりがお化けスポットらしい。
 そんなことを思い出しながらも、霧の中、道を間違えないように、ぬれた岩で滑ってこけないように歩くのが精一杯だった。

 半分過ぎたころでやっと霧が晴れ、涸沢から上ってくる人たちと次々とすれ違い、ほっとできた。
それにしても、ちっとも涸沢に着かない。コースタイムは1時間40分と書いてあったが私は2時間半くらいかかったよ。やはり下りは苦手だ。

花がよれよれと歩くうさぎを励ましてくれる。


 7:30ころ、涸沢小屋に着く。山小屋のテラスで従業員たちがラジオ体操をしていた。
いいな〜、毎日この景色を見ながらラジオ体操かあ。

  北穂小屋のお弁当を食べる。デザートは200円で売っていたスイカだ。

時々雲が切れてカールがきれいに見える。この景色を見ながらは何を食べてもおいしい。
 

 ぬれた岩に尻をつくことももうないだろうとカッパのズボンを脱いだら尻のところが3本も裂けているではないか。が〜ん。力が抜けた。
高い高いゴアのカッパだよ。去年、買ってまだあまり着ていないのに。軽くて高かったのに・・・。

 は〜、気を取り直して下山。土曜日で山に登る人とたくさんすれ違い、止まってばかりいるので横尾になかなか着かない。
 途中、本谷橋の近くのかわらで休憩。水が貴重な北穂小屋では顔を洗わなかったので、この川で洗った。タオルが真っ黒になる。


 にぎやかな横尾山荘を通り過ぎ、徳沢園で休憩。もうすぐ上高地だと思うと安心してほっとできる。
 
 カッパ橋に1:00ころ着いたのでまだ早いと思い、温泉に入りに行くことにする。カッパ橋から15分というが疲れた体にはもっと遠く感じる。
 上高地温泉ホテルの露天風呂に浸かりしみじみと幸せをかみ締める。本当によく歩いた。
毎回山から下りてはいる温泉は最高に気持ちがよいのだ。
 
 午後2:40のバスにのる。電車乗り換えの新島々には産地直売の農産物が売っている。ここで、いつもあれこれ買い物をしてしまう。今回はミニトマト、すもも、インゲンを買った。
ミニトマトはあまかったし、インゲンはゆでて胡麻和えにしたらやわらかかったし、すももは次の日のフリマで汗だくの中食べたらさっぱりとしておいしかった。あなどるなかれ、信州の野菜。おすすめです。

 は〜、あとは下界に戻るのみ。冷たい山の空気ともわかれ、八王子に着き電車から降りたらむ〜んとした暑さに、どっとつかれがでた。また、山に帰りたいです。


 山から帰ってきて次の日がフリマ、そして久々の仕事生活が始まったら、あっという間に時間がたち、なかなかアップすることができませんでした。もう、山は秋なのでしょうね。夏山情報でちっとも参考にならないと思いますが、根性で登れる北穂に行ってうさぎの代わりに絶景を見てきて〜。

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