7月24日(金)
さあ、今日も歩くよっ。
と、朝食も食べずに5:30には横尾を出たけれど、雨が降っていてテンション下がる。
いつまで降るんだあ。
本谷橋で楽しいお弁当朝食の予定だったけど
雨が降っていて、橋の袂の木の下でお弁当を食べるのが悲しい。
それでも雨は小降りで、時々空が明るくなる。
一瞬、虹が見えてすぐ消えた。
涸沢から下る人たちも合羽を着ているが
脱いでいる人もいて、大丈夫かと思い上だけ脱いでみた。
小降りで少し濡れるが、ぐっしょりと濡れるほどではない。
合羽から解放され、身軽になる。
3時間ほどで涸沢に着いた。雨がやんでいた。
合羽のズボンを脱ぐ。
雨がやんだし
この景色は嬉しいが、もうだいぶ疲れている。
大丈夫か、私。
さて、これからが本番だあ。
岩がゴロゴロしていて歩きにくい。
10年前は一人で必死に歩いていたのか、こんな怖い鎖場と
ハシゴがあるのをすっかり忘れていた。
岩のスキマに手と足をかけて、よじ登っていく。
足場を探しながら登るのは、怖いけれど途中からゲーム感覚のようになって面白かった。
1歩1歩が大変で、その分1歩1歩が嬉しい。
地図のコースタイムは3時間だが。
3時間たってもちっとも着く気配がない。
時計が11:30ころをさしていた時に、時計が壊れたと思った。
もう、そんなに時間がたっていたのか。
花は美しくて癒される。
花も
下に見える景色も
すべてが美しい。
大変だけど健康で登ることができる。
ああ、なんて幸せなんだあと思ったら、
見るもの、すべてが神々しくてキラキラと輝いて見えた。
それにしても足が動かない。
あと0.2キロの看板から何分たっているんだろう。
やっと着いたのは1時くらいで涸沢から4時間くらいたっていた。
10年前の私↓このころはもっと早く着いたと思う。
山頂から短い階段を降りるとすぐに北穂高小屋だ。
受付を済ませてランチを食べようとしたが、ランチ営業は1時で終了だと言われる。
泣けた。
10年前はランチでカレーを食べていたから、きっと1時前に着いていたんだよねえ。
部屋は布団を2枚ほど敷けるくらいの広さだった。
彼と二人で落ち着く。
夕飯は5時過ぎくらい。
10年前と同じ、生姜焼きだ。
ご飯とみそ汁はお代わり自由。
昼は行動食のお菓子ですませたので、もりもり食べた。
夕飯後少し寝て、夕日を見に山頂へ。
時々雲が切れて槍ヶ岳が見えて、喜んだり
寒くて震えながら夕日を眺めていた。
ひたすら体が冷えたので乾燥室へ暖をとりに行く。
北穂高小屋の乾燥室はすいていて、干していた合羽もタオルもすぐに乾いた。
昨日の横尾山荘では乾燥室が混んでいて、干してもなかなか乾かなかったのでありがたい。
乾いてサラサラになったタオルを首に巻いた。
濡れていないって、軽いってなんて心安らぐのだろう。
そんな乾燥室で出会った女性と話をした。
彼女は今日は南岳から大キレットを歩いたらしい。
そして明日はジャンダルムを歩くらしい。
ああ、どちらも私が一生歩きそうもない怖そうなところだよ。
そして、年を聞いて驚いた。
80歳だって。
神だよ、神っ。
10年前の私と比べて、コースタイムも落ちたし
鎖場でビビるし、もう3000m級の山は無理なのかなあと思ったけど。
すごい人に会って、何を自分で制限かけているんだあ
まだまだ、登るぞ~と思った。
乾燥室の手前がトイレ。
山のトイレと言えば臭くて暗くて、良いイメージはないけれど
北穂高小屋のトイレは水洗じゃないのに臭くなかった。
それに乾燥室の手前にあるので、いつもなんとなく暖かく行くのが楽しみだった。
山小屋を使って山登りをするようになって17年ほどだけど、本当に山小屋のトイレ事情はよくなったと思う。
以前は臭くて、つい我慢したくなるトイレが多かった。
工夫を重ねている山小屋の皆さま、ありがとうです。
夜の星空は薄雲がかかってあまり見えず。
とうとう、明日は最終日だ。
上高地まで一気に下るよ。
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