温泉に行きたいけれど、失業中で贅沢はできないし、高いお金を出してひからびたお刺身と冷たい揚げ物が並んだ旅館料理は食べたくないし・・・って思っていたら、ぴったりの温泉を教えてもらった。
岩手県花巻にある大沢温泉の自炊部。
宿泊料は安いし自分で好きなものを作って食べられるし、遠いけれど青春18切符で行けば交通費も安くあがる。
と、いうわけで青春18切符で行く激安温泉旅行。果たして疲れはとれただろうか?
タイより遠い大沢温泉
家を朝の4時半に出て、5時03分の電車に乗り花巻駅に着いたのは午後3時30分頃。
乗り換え10回。
花巻駅から午後4時に大沢温泉の送迎バスに乗って、到着したのは午後4時半くらい。家を出てから12時間。
こりゃ、タイより遠いわ。
青春18切符は鈍行列車を乗り継ぐのんびりした旅でありまして。
朝早起きしたので、眠いけど一度乗換えを失敗したら、いつ着くかわからないと思うと、安心して眠れず。
朝4時まで仕事をしていた徹夜あけの彼を寝かし、はじめは緊張して起きていましたよ。
夜がしらじらと明け、都会の風景がどんどんのどかになって、川が流れ田園風景が広がり、雪山が遠くに見え、旅の気分が盛り上がっていくんだよね〜。
途中、グリーン車に乗って、朝食のおにぎりを食べる。
横並びで座る在来線では、どうも飲み食いはしにくいから。
仙台駅12:16着。30分ほど乗り換え時間があったので、改札を出て牛タン入り笹かまぼこを買った。
それをおかずにまた、家で作ったおにぎりを食べる。これは昼食。
天気は晴れたり曇ったり雨が降ったりコロコロ変わる。
花巻についたらどんな天気かな〜って思ったら、天気雨でした。
乗り換え10回だが、JRの電車がよくぞ遅れることなく、正確に運行してくれたことよ。
ありがとう。
透明のお湯で混浴は無理!
大沢温泉はひとつの旅館なんだけど、1泊1万円以上の山水閣と8000円くらいで泊まれる菊水館とお安い自炊部の3つに分かれている。
嬉しいのは自炊部にある「薬師の湯」「大沢の湯」だけではなく、菊水館にある「南部の湯」や山水閣にある「豊沢の湯」に入れるところ。
「薬師の湯」はタイル張りのレトロな内湯。シャワーなし。
「南部の湯」は木のお風呂でひなびた感じも漂い、しかもシャワーがあり快適でここが一番好きだった。
ヒノキの香りがしたのはおいてあるボディソープからだったのかな。木の風呂からだと良いのだが。
<南部の湯>
<南部の湯の休憩所>
「豊沢の湯」はどこでもありがちな設備が整ったお風呂でありました。
でも、暖房がばっちり効いて思わず「ビバ温暖化!」とひざをたたいて喜びましたよ。
そう、自炊部の建物は暖房が効いていなくて、寒い。
部屋はオプション?で石油ストーブとコタツが付けられるんだけどね。
ひさしぶりの無駄な暖かさは心地よかったな〜。
お風呂に出てからも湯冷めしないし。
地球に優しくないかもしれないが、快適な生活に慣れきった体には暖房ですよ。
そして、彼が好きな「大沢の湯」は混浴露天風呂でありまして。
彼と入るのは嬉しいし、囲いがないから川も見えるし空も広くて、月も輝いて見えるのだが。
透明なお湯だから、温泉に浸かっても体は丸見え。
男の視線を感じます。
はずかしいから、川のほうを向いて体を出していたら、自炊部から菊水館に通じる橋を渡る人から、ばっちり見られたし。
でも、こんなスリルを味わってはいったお湯だったから、よく温まったよ。
混浴効果?!
彼がお湯がちょっと熱かったって言うけど、お風呂や時間によって違っていたかな。
長風呂はできないけど、温まります。
部屋と料金システム
私と彼が泊まった部屋は、1泊2,512円なんだが、その部屋料金に掛け布団210円、まくら10円、シーツ74円と必要なものを足していって、1泊4,000円くらいでした。
部屋は狭かったけど、川が見えて眺めが良かったし、鍵もついていてプライベートが守られて快適でした。
でも、壁が薄いのか、声はよく聞こえたけどね。
<声も風通しばっちり部屋のドア> <こたつ1日315円>
<ストーブ630円> <部屋からの眺め>
自炊って言っても、何でもありの食事事情
自炊部といっても、食堂でも食べられるし自炊しても良いし、買っても良いし何でもありです。
1日目の夕飯は食堂で食べました。
<定食。1000円以内でいろいろあったよ>
2日目の朝食は売店で納豆と卵を買って、味噌汁とご飯を予約注文しておきました。
味噌汁105円、ごはん一合168円。食堂の調理室に取りに行って、部屋でコタツに入って、ぬくぬくいただきます。小皿にのっている赤いのは海老の甘露煮。福島あたりのホームの売店で買ったもの。
味噌汁とごはんを買えるシステムはとても良いのだが、引取りの時間が朝は7時から7時30分、夜は夕方5時から5時40分と決まっているのがちょっと不便かな。
2日目の昼食は食堂でお蕎麦でした。
旅館にも売店はあるけれど、大沢温泉の前に小さな商店があって、そこのほうが安いし、いろいろ売ってました。
<ご近所の商店でりんご一袋150円。狂喜乱舞♪>
そこの商店で、夕飯にさつま揚げと野菜のてんぷらと小袋のめんつゆと漬物とお酒を買ってきました。
さつま揚げと野菜のてんぷらは部屋のストーブの上に魚を焼く網をのせて温めたら、あつあつでおいしゅうございました。
もちろん、自炊部ですから作る人たちもいて、設備も整っています。
お金を入れると使えるガス台とか、食器とか電子レンジとかあるから食材を持っていけば、いろいろ作れそう。
おじさんが、調理中の電子レンジをにらんでいたり。
おばあちゃんとお姉さんが、鍋を持ってウロウロしていたり、キッチンはほのぼのしています。
<古いけれど、きれいなキッチンでした>
<部屋にも小さなコンロと冷蔵庫があったよ>
それから、食堂には福来寿司と金勢巻きというものも売っていました。
福来寿司は食べなかったけど、金勢巻きは朝食のご飯と味噌汁を取りにいく時に買いました。
3日目の昼食で電車の中で食べたけど、おいしかったな。
海老天がまるごと入っていて、まぜごはんと海苔で巻いてあるの。
きっと福来寿司もおいしいんだろうな〜。今度行った時、食べようっと。
ご近所散歩
商店へ買い物へ行ったついでに、ご近所を散歩してきたよ。
<福寿草が雪に埋まって寒そう>
<ご近所に神社があった> <賽銭箱は貯金箱のようでした>
<大沢温泉の敷地内にあった神様は、ごりっぱでした>
帰り道とこの旅の反省
3日目。帰りは朝10時半に温泉を出て、またバスで花巻まで送ってもらう。
11:44に花巻駅から電車にのり、乗り換え7回で家の最寄り駅に着いたのが21:44でありまして。せっかく温泉で休んだのに、すっかり疲れた。
しかしながら、鈍行の旅は楽しい。
子どもたちが乗ってきてけんかが始まるし、駅でお弁当を買ったり、本を読んだり寝たり、外の景色を見たり、飽きて尻が痛くなるのも思い出だ。
でも、温泉の帰りは新幹線がいいな〜。せっかく体がゆるんだのに、疲れてはいかん。
それから、もう一度言うが、透明の温泉で混浴は無理。
今度はにごり湯の温泉にダーリンと行きたいです。
<廊下を歩く時は静かに> <館内は広くて迷路です>
<自炊部は木造3階建て。タオルがかかっているのがなごむ>
今回の旅、ビールを飲んだり酒を買ったりしたけど、交通費やら宿泊費やら食費などぜ〜んぶ入れて一人2万円ほど。やはり激安でした。
ビバ!大沢温泉♪
旅日記