3月9日(木)波照間島へ
 いつものように急ブレーキをかけたように飛行機が着陸する。
滑走路の短い石垣空港の着陸は、いつ体験してもスリリングだ。
 暑い。
 港に行くためのバスに乗り込むがちっとも発車せず。波照間行きの最終便は3時だというのに。運転手さんに「3時の船に乗りたい」というと「10分前には着くから」という。
 バスの中で15分くらい待ち、発車。みなと近くのターミナルには2時半ころ着いた。
 すぐに安栄観光に船のチケットを買いに行くが売り切れ。
ニュー波照間の3時半発の船がとれ、ほっとする。
 それにしても船のチケットが売り切れで買えなかったのは、はじめてだ。
そんな人気なのか、波照間島!
 昼食を食べていないが、たましろの夕飯のことを思うと何も食べる気がしない。ビールと水を買って船に乗り込む。船は結構混んでいた。外のデッキに座ったがホロがかぶっているのに波しぶきがかかる。船がゆれる。
 げろ、吐きそう。

 民宿たましろに着いて、とおされた部屋は仏間だった。壁にかかっているご先祖様の写真が怖い。
 荷物を降ろして明日、取材をお願いする綾子さんに
挨拶に行く。
先日のプレゼンですっかり自信をなくした卒業制作だったが、綾子さんの笑顔を見ると嬉しくなり、なんだか大丈夫と思えた。

 今日の夕飯はジューシーとアーサー汁。大好き。昼抜きでおなかがすいているのでがんがん食べる。いつの間にか船酔いもなおっていた。
 自己紹介のときに「うさぎちゃんの部屋」のことを話すと、なんと見たことがあるという人が二人もいた。うさぎのお知り合いしか見ていないと思っていたのにぜんぜん知らない人も見ていてくれたのね。ちょっと、感動。
 で、「あのどピンクのHPでしょ」と言われる。そう、どピンクの…。
 最近、リニューアルしてもう少しセンスがうかがえるHPにしようかと思っていたけど、印象に残ってくれるのならどピンクでいいや。

 泡波の一升瓶登場!幸せ。波照間でしか見れない。
ということで記念写真。
 大阪からきたご夫婦の歌が始まって揺れる。
いいな〜。この二人。だんな様の声、優しいです。
 幸せになりがんがんお酒飲む。どのくらい飲んだかわからない。次の日、見事に二日酔いであった。

3月10日(木)さて、取材
 朝、早くからたましろさんが食器を洗う音で目が覚めた。
 頭痛。
 でも、今日はとってもいい天気で暑くなったので午前中泳ぐ。今回はシュノーケルとマスクしか持っていなくて、フィンがないのでちっとも前に進まない。じれったくなってクロールで泳ぐ。
やっと魚がいるところに着いた。フィンがなくて深く潜れないのが残念。
 昼からは取材。綾子さんのご主人は昼しか会えないので12時くらいに店に行く。ぼさぼさ頭の旅人風の人かなあと思ったら、スーツが似合うような、感じのよい若者であった。ずっと、話をしていたかったが、時間がなく20分くらいしか話せず。しかも、デジカメの操作が不慣れで録音できていなかった。グワ〜ン。落ち込む。

 だって取材なんだもん
                  〜また来ちゃった波照間〜
                                  2006.3.9〜13

杏仁豆腐黒蜜のソースが最高!

 昼時、みんぴかさんは、忙しそうだった。客がとぎれた2時くらいにやっとインタビューを始める。
 話が前後してなかなか要領が得ないインタビューになってしまったが、人の話をきくことがこんなに面白いとは思わなかった。ふだん、自己中で人の話をろくに聞かない私なので、じっくり人の話をきくのは本当にはじめてではなかろうか。
 人それぞれにドラマがあって、聞けば聞くほど興味がわいてきてもっと聞きたいと思う。そしてその人が好きになっていく時間であった。
 それは私が好きなスケッチに似ている。よく見て描いているといろんなことを発見して、どんどんのめりこむのだ。取材、好きかも!
 結局、お店終了の6時までお世話になってしまった。
綾子さん、ありがとうございました。

綾子さんのご夫婦がやっているお店

同じ宿のセトケンさんにお手伝いしてもらって撮る

黒蜜と黄な粉で、信玄もち味

 たましろにもどると、もう食事は始まっていた。
 遅く行った私の麺はもうふやけていている。あぁ。
 少し食べてみんなで夕日を見に行く。ビーチに着く前に日が沈みそうなので写真を撮る。
 
 今夜はたましろの別館に泊まる。狼7名が泊まっている建物に、子羊の私と同室のかじさん二人が泊まる。
 夜のために体力をつけなければとふざけて話していたが、夜何も起こらず。行儀のよい狼なのか、子羊がまずそうだったのか…。

たましろ別館

 3月11日(土) 民宿「のどか」
 朝、5:00くらいから起きてしまう。外は真っ暗で星がきれい。人工衛星が見える。暗い外でぼやっとしていたが、6:00ころ最南端へ日の出を見に行こうと自転車をこぐ。
 最南端で写真を撮っていると、同じ宿の人と島の人が車で日の出を見に来た。島の人は「いつも夕日なら見るけど、朝日は見に来ないなあ」と言い、朝日のことを夕日と何度も間違えるのがおかしい。
 午前中は見送りをしたり、島の写真を撮る。
 昼便で石垣へ。そして黒島へむかう。
 去年オープンした民宿「のどか」はきれいだった。3人の子供はまた大きくなっていた。そしていたずらやら、兄弟ケンカをしていてとても健康そうだった。
 明日は雨だという噂を聞き、疲れていたが仲本海岸で根性で泳ぐ。海水はけっこう暖かかった。

製糖工場は甘いにおい今、シーズンで24時間動いている。

 宿に帰り綾子さんにたのまれた泡波を奥さんに渡すと、だんなさんのみやちゃんが異様に盛り上がる。
 夕食後、この貴重な泡波をかけて客の大学生、みやちゃん、へるぱーさんが「うすのろまぬけ」大会をする。もちろん、うさぎもおとなげなくいれてもらう。4チームつくり、一位になったチームがおちょこ1杯ずつ泡波を飲める。そして最下位は罰ゲーム。
 結局うさぎがいるチームが一位になってしまい、さんざん波照間で飲んだのにまた、いただいてしまった。
 最下位は宿のスタッフの「のどか」チーム。カーリングのまねをした。笑えた。
 その後も、ウノをして遊ぶ。前の職場でとトランプやウノは子どもとよくしていたがひさしぶりにして、楽しかった。「どうしてそんなにたのしそうなんだぁ」とみやちゃんに言われた。前の職場では私はちっとも子どもの健全育成なんてしてなくて、子どもにただ遊んでもらっていたんだなと思う.。

 大学生の皆さん、あそんでくれてありがとう。

みやちゃんから貴重な泡波をついでもらう

3月12日(日)黒島は大雨だった
 朝は日の出を見に、喜屋武御嶽へ。「キャウン」と読むそうな。サイクリング部の大学生はみんなマイ自転車に乗ってかっこよい。今回はサークルの合宿のようで。うらやましい。
 今日は晴れ。朝日も見えた。しかしみやちゃんは雨だと言う。なんのこっちゃと思ったがサイクリングをしているうちに降られた。
 「降ったりやんだりの天気だな」とたま商店のおばあもいうので、今日は仲本海岸の東屋で絵を描くことにする。はじめは小降りだった雨もすごく降ってきて風も強くなってきて、東屋のどこにいてもぬれてしまう。
 とちゅうから宿で同室の二階堂さんが東屋に来て二人でふるえながら雨を見ていたが、とうとうトイレに逃げ込んだ。嵐じゃ。
 地元の人の天気予報はあたるものだ。
 ちょっと小降りになったところで宿に帰る。雨になってしまって予定より一便早い船で石垣にわたることにする。

ハートアイランドのハートの葉っぱ

 今日の宿は、エアーチケットについてきたビジネスホテルだ。公設市場があるアーケードをぬけたところにあった。いつのまにかわいい雑貨屋さんや服やができている。荷物を置いてお店やめぐりへ。結構寒い。
 結局買ったのはスケッチ用の島ヘチマ。夜はひとりで絵を描いていた。


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3月12日(月)もうおしまい
 昨日、コンビニで買ったチョコクリームつき塩せんべいをなんの疑問を持たずビアのつまみにして食べたのがいけないのか。朝、腹が痛い。あぁ。
 港に行ったら船から二階堂さんがおりてきて、一緒にターミナルに行ったら「のどか」で一緒だった大学生にあった。みんなで空港へむかう。この三人、今から与那国だと。きっと「ドクターコトー」ごっこをしてくるんだろうなあ。
 わたしは一人で那覇ゆきの飛行機に乗った。

 波照間のたましろの常連のまささんに会った。波照間に仕事に来ているそうな。
 昼間、ニシハマでボーっとしていたので「今日の仕事は?」と訊くと「今日は休み」という。「私の仕事は遊び。今日は泳がない。だから休み」と言っていた。
 私の今の仕事は?。人生迷いつつライターの講座を受けて、その卒業制作の取材に波照間にきたけど、なんか気持ちとしては中途半端だなぁ。オフのようでオフではないような。
 南の島はとろけてなんぼ。今度は日常仕事をして、休みに島に来てべろ〜ってとろけよ。


 今回もいっぱい出会いがあって、一緒に遊んでもらいました。ありがとう。
 それから私のつたない取材に快く応じてくれて、感動的な言葉をいっぱいくれた「みんぴか」のご夫婦にあらためて感謝します。ありがとうございました。
 島は草も花も海も元気で、生物のいろんな鳴き声がしていいです。波の音もすてきです。雨も風もはりきっています。島で聞いたいろんな音を思う出そうとするけれど東京では電車と車の音で消されてしまって悲しい。また島に行こうっと。

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