「まだまだいける」と海はいう









   

                                                  2011.4.18-22

3月11日の東日本大震災から、1ヶ月以上たつのに余震は怖いし、原発事故による放射能汚染は気になるし。
ここらで、波照間島へほっと一息つきに行こうじゃないか。

4月18日の午前中に羽田を出発して、石垣島で1泊。
次の朝、高速船で波照間島に向かう。

太陽にきらめく波を見ながら高速船の後ろで、たそがれる彼。疲れているんだねえ。


西浜荘ラブ
前回に引き続き、今回も波照間での宿は「西浜荘」。
ニシハマに近いし、安いし、自炊もできるから。

今回、彼と一緒に泊まるので、相部屋ではなく、2人で1部屋借りた。
1泊1人2000円。
白飯、食べ放題。調味料も食器もそろっていて、食材さえ持っていけば自炊ができる。



部屋は「ザ・シンプル」。
窓が二つあって明るいし、きれいに掃除してあるし、ほうきもある。




部屋の前に洗濯物が干せて、便利だ。
ドアには南京錠がかけられる金具がついていたので、持っていた数字合わせ南京錠を使った。
旅のおともに、南京錠♪アジアのゲストハウスでも使っていたよ。

それから、キッチンが広くて、彼と仲良しで料理ができる。
私が味噌汁を作っている間、彼はチャンプルーを作るとか。

というわけで、今回彼との2人旅で、あらためて西浜荘は使える!と再確認〜。
また、泊まりに行くからね〜。おじい。

旅で食べたうまいもん
いつも島で食べているおいしいものも、新しくみつけた味もあり。お勧め!
石垣空港で食べた「赤いティラミス」
1個420円。
う〜ん、私が好きなコンビニデザートに比べるとかなりお高い。
赤はパパイヤらしい、そして白いソースはコーヒー味。
ゼリーやら島豆腐やらムースの層に分かれているみたいだけど、口当たりが良くてフルーティ。
あまり甘くなくて美味しい。
「月桃もち」
苦くて、「おいしいっ!大好き」って事はないけれど、「素朴でこれも旅の思い出〜」と1回くらい食べても良い味。

沖縄では年に一度、子供の健康と厄払いのために食べるものだそうで、ありがたい食べ物なんだねえ。
波照間島の青空食堂。
外にテーブルが並んで、飼っている鶏が歩いていて、のんびりした雰囲気が大好き。
いつもタコライスを注文するけれど、今回、沖縄そばにタコスソースをかけたスパゲティ風?のものを食べた。
ぴりっと辛い自家製ソースがたっぷりかかっているので最後までおいしくいただける。
仲底商店の泡波アイス。
300円。
冷えた金属製のカップに入っている。
近くの広場のベンチで食べた。
ほんのりお酒の味。
まぼろしの酒「泡波」が入っていると思うと、ありがたい。
西浜荘で作った夕食。
ポーク缶と卵とゴーヤのちゃんぷる〜は彼が作った。卵は売店で袋に入って売っているけれど、頼めばバラ売りしてくれる。
右下がアーサーの味噌汁。アーサーは石垣島公設市場の地下で乾燥したものを一袋300円ほどで買った。とても便利。
刺身は西浜荘のおじいが1パック200円で売ってくれた。この2皿分で200円。大変安い。
おじいが採ってきた魚だ。新鮮でコリコリしていてうまい。

たこの塩辛。
波照間島の売店で450円で購入。
酒の肴や朝食のおかずにとても重宝した。
彼のお気に入り。
「みんぴか」さんのカキ氷。
きいろいのがマンゴーで、茶色いのが黒蜜と練乳ときな粉がかかった「黒蜜スペシャル」
暑くなってカキ氷がうまい。
波照間にいる間、3日間みんぴかさんに通った。
彼はお店においてある「きょうの猫村さん」という漫画を1日1冊読むのを楽しみにしていた。
サーターアンダギー。
石垣島の「さよこのサーターアンダギー」という店で買った。
プレーン、ドラゴンフルーツ、紅芋、シナモンなどいろんな種類の味がある。1個45円。
油がひつこくなく、外はかりっと中はふわっとしていて、今まで食べたサーターアンダギーの中でもかなりうまいと思う。
石垣へ行ったらまた、買う!
私はシナモンが好き。

恋の花咲く合コン島か!
1年ぶりの波照間島は、さらに観光客が増えたと思う。
石垣の港にこんなごりっぱな波照間行きの船も泊っていたし。



天気が良かったせいか、ニシハマにもいっぱい人がいた。

そして、この夕日ですもの。
ロマンチ〜っク。



そして、若い男女は恋するんだねえ。
もう、カフェの会話を聞いていても、出会いを喜び、恋を育む男女の会話で、私の耳はダンボになっちゃうわ。
そして、なんか気恥ずかしくなり、波動砲で撃ちたくなるくらい。

どっか〜ん。

音楽が流れているカフェでギターを爪弾き、愛を語るのは止めましょう。そこの男子!

どっか〜ん。

そんな恋する若者を見て、身もだえする私でありますが、波照間最後の晩に泊った「たましろ」で会ってしまったのだよ。
7年前、「たましろ」で会った旅人に。
そして、7年前の私は「旅=婚活」だったなあと思い出し、ますます恥ずかしさでいっぱいになり、「お願いだから7年前の私を思い出さないで〜」と心の中で念じた。
は〜は〜は〜。

恋する男女を見て、イラっとしたのは昔の私を見ていたからなのね〜。
しかしながら、昔の恋する私は、楽しかった。
そうか、そうか、ちょっと必死でかっこ悪いけど、あの子たちは楽しんでいるんだよねえ。ま、いいか。

民宿たましろで歌のお時間
2泊した西浜荘も居心地よいのだが、買ったり、家から持ってきた食材がちょうど良い具合に終了したので、波照間最後の晩は「たましろ」に泊った。

たましろのご主人は歌が好き。
「浜千鳥」やら「砂山」やらちょっと知っていて、微妙に知らない歌ばかりを朗々と歌い、客にも一緒に歌わせる。
ご主人のサービス精神からだと思うけれど、私はちょっとこの歌のお時間が苦手なのだなあ。

いつもなら、こんな時は何気に逃げるのだが、今回は「東日本大震災追悼会」の歌唱だからねえ。
つきあいましたよ。
 
光が反射して見えにくいけど、宿のご主人が書いた追悼会のプログラムと歌の歌詞です。

歌の歌詞は何枚も何曲もあって、ち〜っとも終わらない。
そして、やっと終わってご主人がひっこんだと思ったら、また紙をかかえて戻ってきて「うげっ、また歌か〜」と思ったら

「ゆんたくタイム」という紙を貼りましたとさ。
ほ〜っ。

こんな「たましろ」ですが旅人とのおしゃべりがおもしろくて、つい泊ってしまうのだなあ。
             
     この時季、忙しい製糖工場。突然、唸り声をあげてしゅわ〜っと水蒸気をはくので驚く。

宮良殿内のおじいが吼えた
最後の日、波照間から石垣島にわたり、飛行機まで時間があったので、宮良殿内へ行った。
そしたら受付のおじいが、琉球王国を攻めた島津氏のことを怒っていた。
薩摩の琉球侵攻は、彼にとっては「昔の話」ではないと、私たちに話す。
島津氏のことを責めていたけれど、結局ここに来る日本人に訴えたかったんだと思う。
日本は琉球を侵略したと。

私は沖縄の人からこんな風に、責められたのが初めてだった。
でも、日本人を責めたい沖縄の人はいっぱいいるんだろうな〜。
沖縄大好きの私は切なくなる。
だからと言って、どうしたらよいかわからないけど、沖縄で旅するときに心の隅に置いておこうと思った。
              
                「日輪がでると天気が悪くなる」らしい


それから、石垣島を歩いていたら、原発事故で避難命令が出て、のがれてきたという福島県の女性に会った。
地震がゆれて怖かったこと、避難所を転々としたこと、家に残してきた大切な鉢植えのことなどをいっきに話していた。
東京にいながら余震が怖いとか、放射能が心配だとか、不安になっている自分と比べものにならないほど、彼女は切なく悔しい思いを抱いて見知らぬ石垣島に住み始めている。
私と彼は彼女の話を聞いて、サーターアンダギーと水筒のお茶をあげるしかできなかった。
彼女が、私の大好きな石垣島で一つでも多くの楽しい思い出ができるといいなあ。
そして、一日でも早くふるさとの福島に戻れますように。

              
                 波照間の星空観所


ビーチできな粉パンになる

私の旅といえば、めったに天気に恵まれることはないが、今回の旅は晴れた。
おかげで腕の皮がむけるほど日に焼けた。
2人で夕日を眺めて、流れ星をみつけて、私は砂浜で砂浴をした。

 
体いっぱいに砂がついた私を見て、「きな粉パンみたい」と彼は言った。
あ、でもこれ、彼の足。


彼は蟹と遊んでもらっていた。



ちょっと冷たかったけど、海で泳いだ。
久しぶりに魚を見ながら、海に潜った。
「あ、まだ私、海に潜れる。しかも、メチャ楽しい」って思ったら、嬉しかった。
まだまだいけるじゃん、私。
最近、ぬるい旅をしてきたけれど、
10年前みたいに、ちょっと高い山に登って、キャンプして、海に潜ろうっと。

波照間に来て、余震を忘れてのん気にすごした。
思い切り深呼吸をして、海で遊んでもらって、ビーチで寝転び、美味しいものを食べて、元気になった。
島の神様、ありがとう。
        
          <彼が描いた絵> ビーチから私を呼ぶ彼と、夢中で潜る私


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