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大忙しの八丈島
         2008.12.31−2009.1.3

        

船上の年越し
大晦日に船に乗る。
新しい年を船で迎える。
船上での年越しってイベントがあるのかなあ。
と、ちょっと期待してネットで検索するも何も出てこない。
でも、本当は何かあったりして・・・と思い船に乗る。

2等椅子席。
席は壁際。すみっこ。
「あら、ガラガラにすいているのにこんな席?!」なんて思ったが
テレビの前で紅白歌合戦が良く見えた。
せっかくだからと見ているが、
思い切りシートを倒して毛布をかけたら
ウトウトと寝てしまい、
気がついたら最後の氷川きよしが歌い終わったところだった。

彼が「消灯時間は0時10分だって」と教えてくれる。
そうかあ、いつも23時半の消灯が年越しだからのびたわけね。
「行く年来る年」を見ながら新しい年を迎える。
船内に「あけましておめでとうございます」と放送が流れ
0時10分になったら灯りが消えた。
あら、本当にそれだけだったのね。

それでも船の上から見る初日の出は楽しみだからと、
元旦の朝甲板に見に行くも、そんなに人はいない。
船が傾くほど人が集まっていると思ったのに。
とにかく寒い。
それに海が荒れていて曇っていた。

しばらく見ていると、雲の合間からぷはーっと光が差してきた。
海も雲も暗いが、太陽の光だけがひたすら明るくて力強かった。
何枚も写真を撮り、ヨタヨタと船内に戻る。

         

朝食を食べようと、パンを持って軽食コーナーに着いたころにはもうゲロゲロ。
船が揺れているのに歩いてすっかり酔ったんだなあ。
こんな海が荒れていては年越しといえどもイベントどころではあるまい。
三宅島には着いたが、御蔵島には接岸できなかったし。
さて、八丈島には果たして着くだろうかという状況で、のんきに楽しんではいられまい。
ひたすら、船酔いと戦いながら八丈島到着を願った。

八丈富士へ
八丈島へは着いた。
御蔵島によらなかったので、予定時刻より30分早い9時ころ。
ほっ。
天気はよい。
歩いて民宿に向う道にはハイビスカスが咲いていて、まるで沖縄のよう。
しかし、東京と同じくらい寒いのだ。
なんで、咲いているんだ?ハイビスカスが。

船は椅子席であまり眠れなかったし、船酔いもしたけれど島に着けば元気だ。
元旦からやっている島の「ブーランジェリー」というパンや兼コンビニで、
おにぎりとクリームパンを買い、八丈富士へ出発。

八丈富士は登山口から山頂まで1時間という情報はあったが、
市街から登山口まではなかなか着かないのだよ。
民宿を10時半にでて買い物をして、登山口に着いたのが12時半くらい。
もうへとへとだが、土の登山道を見るとがぜん、やる気が出てくる。
登山道はひたすら階段。1280段。
登山道から頂上までの高低差は300メートルだ。
854.3メートルの山だからアスファルトの道を500メートル以上登った事になる。
疲れるはずだ。

階段からお鉢めぐりの道に出て、頂上までが結構怖い。
道幅は狭いし、強風だし。
よろけて踏み外せば、どこまでも下に落ちていきそうだ。

           
               細い登山道が続く
お鉢めぐり   <彼が撮影>

          
             火口側は深い森

          
          外側はこんなん。足を踏み外したら街まで転げ落ちそう

山頂に着くと岩にへばりつくようにおにぎりを食べている女性が二人。
私たちも狭い山頂の岩に座っておにぎりを食べた。

景色は良いが風が強い。
昨年の正月に登った神津島の天上山も風が強かったのを思い出した。
強風の季節なんだねえ。

ああ、こんな風が吹いては危ないからと下山口にもどろうとするが、彼はお鉢を一周するという。

          
          頂上から時計回りに歩き出すと八丈小島が見えてきた

たしかに景色は良いが、相変わらず細い道が続き怖い。
彼の背中を見ながら必死に歩いたらいつの間にか一周していた。
私一人ではきっと1周しなかっただろうに・・・と思うが。
一人でどこでも冒険していた私ですから。
やはり一人でも1周したに違いない。
彼と旅行するようになり、いつのまにか怖がりになっていた自分にちょっとがっかりする。

お鉢一周道路と下山道の分岐あたりから神社へ続く道がある。
植物が生い茂る細い道を歩いていくと突き当たりに鳥居があって神様がいた。
植物や動物に囲まれてひっそりといるんだなあ。
神秘的で良いではないか。

           
            小さな鳥居の奥に小さな石が積まれていた

下りは八丈の街を見ながら下る。
下りはあっという間だ。

           

登山口まで降りて、鉢巻道路沿いにあるふれあい牧場による。
黒い牛がもぐもぐとえさを食べていた。

           

           

休憩所になる建物はあるが、自販機しかなかった。
牛乳は売っていたが、牛乳は嫌いなのだよ。
がっかり。

帰りもアスファルトの道をテクテクと下る。
途中、おじ様おば様の乗った車が止まり、私たちにみかんを3つくれた。
歩いていればよいこともある。

市街に下りてきたところで、自転車を借りようと「モービルレンタカー」に電話した。
交差点の名前を告げると、そこまで車で迎えに来てくれた。

お店に着いて自転車を借りる。
今から自転車で「ふれあいの湯」に行くのだ。
店の人にどのくらいかかるか訊いたのだが、
「坂が急で押していくようだから・・・」とはっきり答えてくれない。

いったん宿に帰り、荷物を降ろしてふれあいの湯へむかった。
結局宿から自転車で45分かかった。

ふれあいの湯は建物や風呂が木でできていて、温かみがある。
お湯は茶色に濁っている。
疲れた足をのばし体を温めたが、また30分くらいかけて宿に戻ったらすっかり体が冷えた。

ママチャリ温泉めぐり
さて。島について二日目。
今日はのんびりと温泉に浸かろうなんて二人で計画したが
なんせ移動は自転車。
思ったよりも坂はきつくて、自転車を押しながら歩くこともしばしば。

            
             大阪トンネルまでの道。ひたすら自転車を押して歩く。

            
                    しかし、景色はすばらしい

しかも、晴れていたかと思ったら急に曇りだし、
雨がザーッと降り、あられが混じってくるのには泣けてきた。
そう、にわか雨が降り出すのはすっかり南国だが、
気温は東京と同じですもの。
あられなんて混じってしまうのね。
8時半に出て一番遠い末吉の「みはらしの湯」に着いたのは10時半。
露天風呂から海を眺める。
30分くらい前から降った雨はもう止んでいて、遠く青ヶ島が見えた。
             
             南の島っぽい木が植えてあるよ。おしゃれな建物の「みはらしの湯」

             
             うわっと広がる海を見ながら露天風呂に浸かるのです

11時半くらいに次の温泉「裏見ヶ滝温泉」に向う。
12時過ぎには着いて、温泉の近くにある裏見ヶ滝へお散歩をする。
冬なのに植物は強烈な緑で西表のジャングルのようだ。
人は3人くらいしかすれ違わず。
滝に着いたときは誰もいなくて、
静けさの中、妖精がいそうな雰囲気を味わえた。
以前、GWにも来た事があるけれど、人が多くてただの観光地になっていたのに。

              
              裏見ヶ滝を裏から見上げる。水が落ちてくるぞ〜

              
          小さい滝であるが植物がうっそうと茂っていて自然の力が強そうだ

              
              遊歩道になっているので歩きやすいです  <彼が撮影>

裏見ヶ滝温泉も以前来たときは混んでいて、
男女兼用の小さな脱衣所は入る人と出る人が入り乱れて
すごいことになっていたけれど、
今回はおじさんとおじいさんが二人のんびり浸かるのみ。
脱衣所は入るときも出るときも、彼と二人でゆっくり使うことができた。
裏見ヶ滝温泉は水着ではいる混浴の露天風呂。
ジャングルを見ながらゆったり浸かる。
ああ、こんなに良い温泉だったのかあ。
ちょうど昼時だったのですいていたかも。
水着のきれいなお姉さんを期待していた彼はなんともがっかりしていたけれど。
12時半くらいから13時まで入った。
なんか、時間に追われてのんびりしていないぞ。
         
              
              階段を下がっていくと森の中に露天風呂がある

昼食は「いそざきえん」へ。
八丈郷土料理の店だというので島寿司が食べられると思ったら、予約のみだそうで。
残念。
              
               お野菜いっぱいの素朴なお料理でした

              
              「いそざきえん」の庭のガジュマル。やはりここは南国なんだろう。


本日最後の温泉は昨日入ったふれあいの湯。
14時半くらいからはいったがすごく混んでいた。
だけど、やはりここはなかなかいいお湯であるのだなあ。

山も海もある雄大な景色の中でサイクリングするのは確かに楽しい。
小さな花が咲いていれば立ち止まり、景色の良いところでは写真を撮り、
地元の人や旅人と話をする。
だけど、坂がきついし寒いからのんびりするにはレンタカーがお勧め。
今度訪れたときは車でのんびり温泉めぐりさあ。

              
              南国で大根干しはないだろ?いろんな顔を見せてくれる島ですわ。

二日間バカみたいに体を動かした。
ヘトヘトだ。
お正月から何をしているんだろ。
しかし、体を動かすと何も考えられなくなる。
いいリフレッシュでありました。
そういえば、以前はむちゃくちゃしたよな。
吹雪の中で一人クロカンとか。
テントをかついで西表縦断だとか。

終わった後に充実感で思わず涙するとか。
よくやったと自分を褒めたくなるとか。
そんな旅をまたしよう。

一年の計は元旦にあり。
こんな正月をすごした2009年は旅をしてはじける年になりそうです。

旅日記