神の島神津島

2006.10.26〜30

天上山・不動池

そうかあ、神津島って「神が集まる島」っていう意味なんだ。
島を歩き、神社や名所に神の存在を感じ、あらためて実感した次第。
神津島と言えば、天上山、海、温泉、キャンプを楽しみにしていたうさぎですが、
いつの間にか、神の気配を求めて歩き回っておりました。
10月26日(木)
船旅
 バイト帰りに竹芝桟橋に向かう。船の出発は午後10時にもかかわらず、午後7時半前には竹芝桟橋についてしまった。
 今日は朝からキャンプ道具をつめた大きなザックを背負って、通勤し、前の日には遅くまで、パッキングをしていた。それらの疲れかベンチで缶ビアを飲みほすと、乗船開始の9時45分ごろまでほとんど寝てしまった。
 船に乗り込む時雨がちょっと降っていたが、雨に似つかわしくなく島に向かう観光客たちのテンションはたかく、楽しそうなおしゃべりが聞こえた。
 うさぎの客室は2等の和室。指定の場所はガムテープで仕切られている。よりによって、両側はオヤジ。
 うさぎがいるにもかかわらず、平気で着替えだす。やめてくれ。客はつめてのせているが、他に空きが多い.。隣のオヤジはいつの間にかどこかに移動して行ったようだ。
 
10月27日(金)
晴れ
 朝5時頃、携帯の目覚ましで起きてしまった。しばらくすると、船内が明るくなりもうすぐ大島に着くというアナウンス。甲板に出ると、地平線と雲の間が赤く染まっていた。
 船は大島、利島、新島、式根島により、神津島になかなか着かない。一眠りして10時すぎにやっと、着いた。12時間ちょっとの船旅だった。

沢尻キャンプ場
 島に着き、まずは港のすぐ近くの観光協会にキャンプの届けを出す。島には長浜、沢尻、多港湾の3つのキャンプ場があるが、うさぎがテントを張る沢尻は届けを出すだけ。無料。島の観光案内やらバスの時刻表などもくれた。至れり尽くせり。
 沢尻キャンプ場に向かうバスは、10時半出発だ。バス停に荷物を置き、酒屋を探す。閉まっていた。嗚呼、時間が・・・。キャンプ場まで歩いて20分ほどだという。歩けないこともないが、荷物のことを思い、酒を断念してバス停に向かう。バス代は一回200円。3分ほどでキャンプ場に着いた。
 朝曇っていた空はいつの間にか晴れていた。暑い。長袖を脱ぎ、キャミソールになってテントを設営する。
 船でシャワーを浴びていなかった。キャンプ場の水シャワーを浴びる前に、泳ごうと海にはいる。
 海水に浸かるとき、ちょっと冷たかったけどすぐ慣れた。少し泳ぐと足が着かないほどの深さになり、潜るのが楽しい。ヒレを持ってこなかったのが残念だ。
 トロピカルな魚には会えなかったが、おいしそうな黒っぽい魚は泳いでいた。けっこう綺麗な海だ。
 シャワーを浴びてパレオを巻いてすごそうかと思ったが、テントサイトは道路に面しているし、散歩のおばちゃんも通るので、Tシャツも着た。
 昼食のラーメンを作り海を見ながら食べ、片づけをして洗濯をして生活だけで時間がすぎていく。波の音を聞きながら、時間を気にせずすごすのは贅沢だ。しかも、キャンプ場にはうさぎ一人。プライベートビーチだ。

神の気配
 風呂に入る前にまた一汗かこうと、散歩に出かける。
 島の西海岸沿いは、見所が多くウォーキングコースになっている。キャンプ場から徒歩10分の温泉をとおりすぎ、めいし公園へ。展望台があって、そこにはなんと一人用の椅子がとりつけてある。そこに座り、大きな海と空を見るのは気分がいい。天気がよく、遠く富士山まで見えた。

 しばらく歩くと亀の形をした岩山に出会う。メッポー山というそうだが、亀に見える?
 
 だいぶ日が傾いてきたので今日の終点は長浜海岸までとする。長浜海岸にはいろとりどりの石があるけれど(う〜ん、よく見なかった)、神様のものだから持って行くと罰があたるそうな。
 
 で、その浜の道をへだてた所に阿波命神社がある。鳥居の向こうはうっそうとした木のトンネル。沖縄の御嶽(うたき)のような神聖な雰囲気がただよう。木々の向こうにキラキラと光って見える社の屋根をたよりに、歩いていくと急に広場があらわれ社が建っていた。
 この木のトンネルの時空がちょっとゆがんでしまったら、そのまま「千と千尋の神隠し」に出てくる神様の世界にさらわれてしまう様な。はたまた、トトロなどのそこの守り神に会えるような。そんな思いをめぐらされる空間であった。

あの船に乗り込む。

一人分の寝場所は寂しくなるほど狭い。

もうすぐ大島だ。

沢尻湾。

暑いので日陰にテントを張った。

王様気分にひたれる一人用の椅子

広がる海と空は大きかった。

島の人の愛を感じる手作り看板

阿波波命神社に向かう道。

清めるところに竜がいた。


訪問者
 温泉に浸かり(神津島温泉保養センター)、テントサイトにもどったらもうすっかり日が暮れていて、空の下のほうだけ赤くて、どんどん暗くなっていく。
 いつもの、ランタンにろうそくの火を灯し、夕飯のパスタを食べつつ、一人キャンドルナイト。テントの後ろの道を隔てたところにある、ホーテッドマンションのようなホテルの廃墟が気持ち悪いと思っていたら、「一人じゃないよ」と知らせるように、蟻が足の裏を刺した。
 食事をすませ、トイレに行って食器を洗っていると、「ときこさん」と呼ぶ声が。振り返ると人のよさそうなお兄さんがバイクの横にたっている。うさぎが時々遊んでもらっている「シマ部」のブログに「神津島情報をください」と書き込んだら、「神津人」という名で地元の人が情報をくれたのだ。その「神津人」さんが訪ねに来てくれた。
 キャンプ場の近くのビアの自動販売機の場所、炊事場の電灯のスイッチの場所など貴重な情報を教えてくれた。ちょっと心がほっとした。旅の出会いはいつだって嬉しい。
 明日は天上山に登る。晴れると良いな。
10月28日(金)晴れのち曇りのち雨
天上山へ
 キャンプ場から黒島登山口(480m)まで一時間くらい。島にはいたるところに看板があり、観光協会でもらった地図を見ながら歩けば迷うことはない。ただ、舗装した坂道をひたすら登るのは疲れる。
 商店がある街中を歩いたのは8時前頃。店は閉まっているものと思い、竹芝桟橋の近くのコンビニで買ったパンと菓子をザックにつめたが、関庄商店はやっていた。パンとお菓子くらいならここでも手に入れられる。
 
登山口の近くにトイレがあった。見た目はちょっと古いが、中は綺麗に掃除されていた。
 歩き出すと一合目から十合目までの看板があり、適当なところに休むベンチもある。歩き始めから高い木がないので、日陰がなく暑い日にはきついだろうが、登りは休むまもなく一時間もかからない。そのまま、最高地点まで行ってもどるのならば、登山口から往復2時間もあれば戻ってこれるだろう。
 ただ、せっかくきたので広い山頂にある池や砂漠や展望台を楽しんでいく。次々と変わる山の風景や見下ろす海の景色、池などは他の山では見られない天上山ならではのものであった。
 また、花が一年中楽しめるのも温暖な神津島ならではであろう。もう、秋なので花はぜんぜん期待していなかったが、けっこう咲いていて楽しめた。
 山頂からおりる12時半ごろ、島の保育園児が表砂漠付近で遊んでいた。年長さんの恒例登山らしい。
 黒島登山口から登ったのが8時半くらい。下りてきたのが午後1時半。途中、絵をかいたり、海を眺めたり充分楽しめた。
 
登山口付近で見つけた冷風穴。

ここにも神がいるらしい。

登山口近くのトイレ。

歩き始めの道はこんな感じ。

階段が続くのはちょっと疲れる。

鬼たちの力くらべ。

看板の先を見たら大きな石が積んである。鬼の仕業か?

道が砂地になったと思ったら表砂漠。

椅子とテーブルがおいてあった。

15分ほど歩くと裏砂漠。

ここはどこ?というような風景が続く。

裏砂漠展望地からの眺め

天空の丘からの眺め。式根島がかすんでいる。

この実はなんだろう?秋っぽい。

ウメバチソウ

アキノキリンソウ

リンドウ。いっぱい咲いていた。

不動池。水はなかった。神様がいた。

のぞいてはいけません」と書いてあったのに写真を撮ってしまった
  
素敵なところでずっといたかったので、ベンチに座ってスケッチをする。
この池のほかに、ババア池、千代池があったがいずれも水はなし。ちょっと残念。

町を見下ろす。

こんな看板がいくつも建っているので迷わない。

とうとう山頂に着く。うさこ、忘れた。
軟弱キャンパー
 歩いているときには雨は降らなかったが、温泉からの帰り道、ぽつぽつと雨が来た。
 軟弱キャンパーのうさぎは屋根と灯りのある炊事場に避難。
しかし、コンクリートはマットを敷いても冷たく硬く。大地の偉大さを知りました。

雨でも、酒は欠かせません。

お湯割が最高においしい。島の焼酎「盛若」

テントにまで入ってきて、うさぎの体の上を這うフナムシ
10月29日(日) 雨のち曇りのち、ちょっと晴れ
雨だ
 キャンプで雨だとかなり萎える。洗濯物が乾かない。寒い。 でも、昨日いっぱい歩いたので、神様が休憩しなさいって言っているのかなあと、ペットボトルにお湯を入れ、湯たんぽを作りフリースとお腹の間に入れ体を温めながら読書。
 小降りになったので、せっかく島に来たのだからと、寿司を食べに行く。シマ部情報では「基寿司がよい」ということだったが、地元神津人さん情報では、今は営業していないらしい。港の近くの「よっちゃーれセンター」で、島寿司をいただく。これで、900円。ネタが厚い。食べ応えあり。もう少し辛子が利いてても良かったかも。
 寿司を食べて、さあ、どこに行こうかと、歩くのも雨ではねえと思っていたら、ちょうど多幸湾行きのバスが出る時間だ。多幸湾のキャンプ場でも、見に行こうとバスに乗る。
 
 
 

明日にはあのフェリーに乗って帰るのだ。

島では魚を食べなくては。

広々としたビーチ。多幸湾。

多幸名水。水が豊かな島って良い。

名水の近くに神社あり。ここもかなりミステリアス。

雑草の向こうに鳥居が。ここを歩けだと!
くもの巣をかき分け行ってみたら普通の神社だった

多幸湾キャンプ場には管理棟があった

遊具や広場があって、名前のとおりファミリーキャンプ場。
 多幸湾から戻るバスは2時間以上待つ。歩くか。町まで一時間半くらいだったかな。いつの間にか晴れていた。

港の近くの物忌奈命神社。大きな木があって、落ち着いた。

えんま洞。笑顔の閻魔様がいる。スケッチしようと思ったが怖くなってやめた。
 島を歩くと、子供も大人も挨拶を返してくれる。観光客のための案内板が多い。公衆トイレも多く、しかも掃除がいきとどいている。お寺のお墓には綺麗な花がいけてあって、お線香の香りがする。神の気配がする神津島に住む人たちは、優しく丁寧に生きている人たちなんだなあと、感じた。
 町の坂道を歩くのは大変だったけど、そんな町を歩くのは気持ちが良かった。
 テントの前で夕飯を作りながら、夕日を眺める。最後の夕日は雲が多く、ちょっと残念だったが、赤く海を照らしてくれた。
10月30日(月)晴れ

朝起きて、テントのジッパーを空ける。海が広がり、ピンクの空。
うさぎが大好きな瞬間だ。

スーパーで明日葉を買って、ラーメンに入れてみた。苦かった。
明日葉は天ぷらにするとおいしいそうです。

今日は帰る日。帰る日によい天気だとちょっと悔しい。

木の手作りバス停。かわいいので描いてみた。

船の中。帰りは椅子席。すいているので寝転んでいた。

もうすぐ、竹芝桟橋。同じ東京なのに風景が違いすぎる。


 
旅が終わる。
それでいつもながら都会に戻ると、その人の多さに、殺伐とした雰囲気に、忙しく歩き回る人についていけなくなる。
ちょうど夕方のラッシュに呑み込まれてしまった、浦島太郎のようなうさぎはまたもや大きな荷物を背負い、よたよたと家に帰っていったのです。

久しぶりの旅だった。
行きの船で、朝日に輝くキラキラとした波を見ているだけで幸せになった。異様に興奮した。
うさぎは本当に旅が好きだ。
そして、旅のことを思い出し、この旅日記を作っているのも楽しい。
なるべくコンパクトに書こうと思ったけれど、結局だらだらと長くなり。
読んでくれてありがとうございます。
もっと書きたいことがあるけれど、違う形で。

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