赤ちゃんは母の胸に顔を押し当ててぐずりながら、子どもは子守唄を聞きながら、またはとんとんと背中をたたいてもらい眠りに落ちる。大人だって眠れない夜や泣きたい夜もあって、そんな時には一緒に寝てくれる人が欲しいと思う。

 「結婚っていい」バツイチの私が言うと「ぜんぜん説得力がない」なんて言われながらも、そう人にお勧めしてしまうのは、結婚すれば一緒に寝てくれる人ができるじゃないか。

眠りに入る前に、彼の体に足をからませたり、赤子のように顔を彼の胸に押し当てて甘えていると、心の中にあった悲しみの塊が、どんどん削れて小さくなるのを感じられた。

昼間、どんなに嫌なことがあっても、彼と一緒に眠る夜のことを思うと「大丈夫」と思えた。それは生きていくうえでの私のお守りであり、私を強くしてくれるものであったのだ。

 愛する人との安らかな眠りは心と体をくまなく充電してくれる。「一緒に寝ても良いですか」好きな人ができたら訊いてみようっと。

一緒に寝てもいいですか

同人誌VELO12 vol.3 掲載

*テーマは「愛」400字

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