1月26日
【首里城を歩く】
朝、久高島からフェリーで本島にわたり、月光荘に荷物を置いて、ゆいレールで首里城に向かう。
ゆいレールに乗りながら、ガイドブックを見ていたら美味しそうな儀保まんじゅうを見つけ、儀保の駅から近そうなので降りて探す。
→を見つけては歩いて行く。
    
おかしいなあ、そんなに歩くはずないのになあと思いつつ、20分くらい歩いただろうか。
着いた。
お店の人に聞いたら、7,8年前に移転したとか。
今は首里駅に近いらしい。
だめだね。
古いガイドブックを持って旅をしては。



目の前で「の」の字を書いて、月桃の葉でくるんでくれた。
店の外のベンチで早速食べる。
甘さが優しくて、ほんのり温かくて癒される。
歩いたかいがあった。

お腹はひといきついたけど、昼食は是非、行きたい食堂があったのでさんざん歩いたあとだが、また頑張って歩く。
見つけた!椿食堂。

でも、中に人がいるのにやっていない。
声をかけたら、体調を悪くして今日はお休みだということだ。
あ〜。

でも、首里城へ行く途中の「琉球茶房あしびうなぁ」というお店を見つけて、ゆし豆腐定食を食べた。


あっさりしていて、まんじゅうを食べた後でも美味しくいただけた。

午後2時から首里城で琉球舞踊をやるから、急がなくちゃ。(水、金、土、日にやってるよ)

首里城にあがる途中に龍樋というところがあって、女性が何人かでお祈りをしている。
近くによって、カメラを出そうとしたら「お金を入れるのは沖縄を汚すことだよ」といきなり怒られた。
どうも、お金を入れると思ったらしい。
水の中には賽銭のようにお金が沈んでいる。

写真を撮って良いかと訊くと、それはOKらしい。
沖縄には沖縄のしきたりがあって、そんなことを知らない観光客はありがたがって、お金を入れてしまう。

きっと、沖縄のしきたりを知らない観光客の失礼なふるまいがまだ他にもいっぱいあって、沖縄の人は怒っているんじゃないかと思った。
それにしても、この水の前で何をどう祈っていたのだろう。

さあ、そろそろ踊りが始まる時間だ。
外のテントのイスに座って踊りを観る。
45分間だが、知っている曲がでてきたり、衣装がきれいだったりであっという間だった。
 

終わって、トイレに駆け込む。寒くて冷えたのだよ。
トイレの水道がシーサーだった。


チケット売り場でゆいレールの1日乗車券を出して、割引してもらう。(800円→640円)
ちょうど午後3時から無料ガイドツアーがあるというので、参加することにする。
修学旅行の団体さんがどやどやと入ってくる中、ガイドのきれいなお姉さんの説明を聞きながら見学をする。

首里城は復元工事の最中で、正殿は漆をぬり終えたばかりだそうだ。
先月までは工事の幌で覆われていたらしい。
ピカピカを見られてらっき〜。


それから印象に残ったガイドさんの話は、沖縄が日本ではなく琉球王国として栄えていた頃からの歴史だった。
かつての琉球王国は栄えていて、東南アジアと貿易をしていたらしい。
中国と日本に気を使いながら存続していた時期もあって。
今は日本で。
それでは、日本じゃなかったら戦争に巻き込まれなかったのかなあ。
さっき、龍樋で沖縄の人に怒られたし。
日本人って沖縄の人に、とんでもないことをしてきたんじゃないか。
パワースポットどころじゃなく、なんか日本人でごめんなさいっていう気分になってしまった。

首里城を後にして、玉陵(たまうどん)という国王のお墓を見に行った。

私にとっては世界遺産の観光地だが、地元の人にとっては祈りの場所なのだろう。
やはり、ここは日本ではなく琉球だ。
台湾やタイのお寺へ行ったとき、ちっともお祈りの作法がわからなくて、文化の違いを感じるけど、沖縄もそんな感じ。
ああ、この場で私はどのように拝めば良いと言うのだ。

さて、気を取り直して夕飯を食べに行こう。
ゆいレールの安里駅のすぐ近くに栄町市場へ向かう。

地図でもわかるとおり、小さなお店がいっぱいある。
夕方行ったけど、公設市場のように人がわんさかいなくて、静かだ。
レトロなたたずまいで、なつかしい。
 

一袋100円のサーターアンダギーを買った。

「さとうてんぷら」というと、砂糖と油で大変体にヘビーな感じがするが、素朴で好きな味だ。
沖縄旅行ではいつも携帯している。
おじさんが「細長いのがかりんとうみたいのでね、丸いのが普通ので。もっといっぱいあったんだけど、箱で買っていく人がいて、売れちゃったんだよ」って自慢していた。
市場の中の店でカレーを食べる。

泡盛を飲んだら、すっかり酔っていい気持ちになった。

店の中もレトロです。

月光荘に帰って、酔ってベッドにちんぼつしていたが、起きてシャワーを浴びようとシャワー室に行ったものの、寒く浴びる気がしない。
同じ部屋の子に、「寒いんだよ〜、シャワーが浴びられないんだよ〜」と訴えたら、月光荘にお風呂ができて200円でお風呂の栓を貸してくれることを教えてくれ、さらにヘルパーさんに私が風呂に入りたがっていることを告げてくれた。
おお、さすが1人旅女子。
親切だ。
ヘルパーさんに200円払い、風呂の栓とお風呂の洗剤をわたされ、別棟の風呂場に案内された。
「入り終わったら、お湯を流してお風呂を洗ってきてね」ということだ。
なんと合理的な安宿のシステム。
ありがとう。
久高島でも風呂はなく、シャワーしか浴びられなかったけど、久しぶりに湯船に浸かることができて、温まった。

1月27日
【金城町石畳通りと大アカギの木】
今日は金城町石畳通りを歩く。
ゆいレールの首里駅から石畳へ行く途中に、瑞泉酒造があったので見学をする。
ここでも、戦争がなかったら100年前の古酒が残っていたのに、と言われ。
くらくらと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
そんなことを聞いた後だからか、試飲の古酒はひたすらのどにしみて、ビリビリした。


石畳をテロテロと下って行く。
庭木やら塀の緑が気持ちよい。
お楽しみは金城の大アカギという木だ。

石畳の道から細い道を入り、しばらく歩くと大アカギの木がいた。
大アカギの木の周りにも、木がいっぱいあってきれいな空気が流れている。
ずっとずっと、そこにいたい気分にさせてくれる。

木に近づくと、穴があり。そのの中には小さな神様がた。
近くの看板によると、願いを一つ叶えてくれると言う。

ここでは安心してお金を入れて、お願いを一つだけ熱心に祈った。


石畳通りを終え、次なる観光地は識名園。
歩いて行こうと、パソコンでプリントアウトした地図を出して歩き出すが、方向がわからなくなる。
井戸でお祈りをしていたおば様方に「識名園に行きたい」と道を尋ねると、心配そうに「ずっと上り坂だよ」と教えてくれた。
ひえ〜。
確かにプリントアウトしたグーグルマップには坂は書いてなくて。
近そうなんだけどな〜。

道を歩いていたら、大きなお墓がみえて、びょ〜と怖がっていたら、いつの間にか道の両脇がお墓だらけになっていた。
道を歩く人はいなくて、1人きりでお墓のそばを歩く。
雨が降ってきて、寂しい気持ちになったところで識名園についた。

雨の中、せっかくだからと庭を見て回り。
バスに乗って、壺屋を目指す。

【壺屋で買い物】
壺屋では彼と私のお茶碗を買おうと、お店を見てまわった。
焼き物に魚の柄が描かれているのは、魚にあやかって、子孫繁栄を願うためだと教えてもらった。
焼き物を見ながら、作者の名前を聞いたり、そのお孫さんが作ったものだとか、この作品は女性のものだとかお店の人が説明をしてくれる。
同じような魚の柄だが、魚の表情が違う。
ずらっと並んだお店のに入るたびに、知識が増えていく。
しかしながら、いろいろ見すぎて結局選べなくなって。
やちむん通りを往復して、「もうここで買わなければ店はないよ」という入り口の店で、青っぽいのと赤っぽいお茶碗を二つ買った。
          
                  住所標識が焼き物でおしゃれです

【元ちゃんとヒヤルガヘイ】
元ちゃんって知ってますか?
ヒヤルガヘイってわかりますか?
壺屋めぐりの後は「元ちゃんとヒヤルガヘイ」というイベントに行ってきたのですよ。
日本人にはわかるまい。
だから客は沖縄のおじいやおばあばっかり。
元ちゃんって、前川守賢で私が好きな沖縄の歌手だが。
その歌手に沖縄で会えるなんて、本当にラッキーだった。

ゆいレールの駅にぴらつか暦(沖縄イベント情報のフリーペーパー)のポスターがあり、ゆいレールを待っている間にポスターにあったバーコードを携帯で読み取り、ページを開き大好きな「前川守賢」と検索したら、なんと27日の夜に宿の近くのテンブス館でラジオの公開放送があるのを見つけたのですよ。
もう、幸せ。テンションあがりまくり。

琉球放送の番組で、おしゃべりは沖縄方言なので、私は何を言っているのだかわからず。
周りが笑っていても、私は笑えないという、異国にいるような体験をここでもする。
最後の歌ははカチャーシーで、元ちゃんから誘われたおじいとおばあが踊ったのだが、もうかっこいいの。
沖縄の人、皆ダンサー。
         

1月28日
【恋する旅の娘】
今日が沖縄最終日。
朝起きると雨がドボドボ降っていた。
朝8時ごろでも月光荘の皆さんは寝ているけれど、キッチンで女の子が調理をしていたので、わたしも、もそもそ起きだして、近所に朝食を買いに行く。
お弁当やさんで「沖縄は思ったより寒いよ〜。でももっと寒い東京に帰るの〜」とおしゃべりをしながら買う。

広間でのんびり食べていたら、旅人が起きだしてくる。
雨に気づいて「こんな日は何をすれば良いんだ〜」と彼がほえたら、ヘルパーさんが明るく「こんな日はうたうのよ」と一言。
そうそう。雨の日はうたうの。そのときにできる楽しいことをすればいいの。
シンプルでいいな〜。

大きなテーブルのむかえに座る娘2人が恋の話をしている。
「私、告白したの」「それでね、彼を追って行こうと思うの」
おお、私も独り身のときはさんざん告白してはふられていたけれど、かわいいお嬢さんが告白するなんていうと、どきどきするな〜。
是非、やみくもに突き進んでほしいっ。
恋する娘ほど、パワフルなものはないと思うの。
無駄に元気がありあまっていた恋する旅人だった昔の自分思い出して、なんか元気が出てきた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
久しぶりに観光旅行をした。
パワースポットでパワーをもらおうと出発前に本で調べた。
沖縄についてからは、ハードスケジュールでよく歩いた。
しかし、本当に欲しいパワーはガイドブックに書いてあるパワースポットにはなく。
私がパワーをもらったのは
年齢など関係なくお店を始めちゃう久高島の喫茶店の女店主のJ子さんだったり
思いがけず歌を聞けた前川守賢のサービス精神だったり
安宿で会った恋する娘だったりなのだなあ。
一番欲しいものは追いかけていたそこにはなくて、思いがけなく、いつの間にか手の中にある。
沖縄の神様。
東京から来た私にも、パワフルなものに会わせてくれてありがとう。
                

おまけ→沖縄のトイレの便座は冬でも暖かくない。座るときは「冷たいぞ」と尻に言い聞かせ、気合を入れる。だけど、美栄橋駅近くのジュンク堂のトイレはウォシュレットであたたかいです。癒されたいならココ。

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